国により指定された難病にかかっている方が、病院での治療費の負担を減らすために使える公的な助成制度です。
長期的かつ高額になることが多い難病医療のため、このような助成制度は患者やその家族にとって大きな助けとなります。平成26年に難病の患者に対する医療等に関する法律が創設され、翌年難病医療助成制度が新しく始まりました。
指定難病に対する医療費助成制度(特定医療費支給認定制度)とは
難病法に基づいて制定された制度になり、原則として難病と診断されて一定以上の重症度の患者に対して適用される助成制度です。
一定以上の重症度とは、指定難病の特性によって日常生活や社会生活に支障があると医学的に判断される状況の事を指します。
該当する患者には3割負担から2割負担に軽減され、さらに治療費の自己負担額の上限を超えた部分が助成される仕組みになります。
原則として重症度基準を満たす方が対象ですが、診断基準は満たしているものの重症度基準を満たさない場合でも、医療費が一定額以上となる「軽症かつ高額」に該当すれば助成対象となることがあります。
対象となる指定難病は具体的に、悪性関節リウマチやベーチェット病、アトピー性髄炎、黄斑ジストロフィーなど多数あり、現在、国の指定難病は348疾病(2025年4月1日以降)となっています。
地域によっては独自疾病が追加されていることもあります。都道府県によっては国指定疾病に加えて独自の対象疾病がある場合があります。詳細については管轄の保健所・自治体窓口でご確認ください。
また、東京都では、さらに東京都規定によって8疾病が対象になっています。
ご自身の疾病が該当するかは「難病センター」で指定難病を確認をすることが可能です。
難病医療助成制度の自己負担額上限(月額)
医療費の自己負担割合の軽減の他、下記の自己負担額上限が所得区分によって決まります。下記表の上限額は一般的な目安です。人工呼吸器等の条件や世帯の状況によって取り扱いが異なる場合がありますので、認定条件を確認してください。
| 一般 | 高額かつ長期※ | 人工呼吸器等を使用 | |
|---|---|---|---|
| 住民税25万1000円以上 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
| 住民税7万1000円以上 住民税25万1000円未満 | 2万円 | 1万円 | 1万円 |
| 住民税7万1000円未満 | 1万円 | 5000円 | 1万円 |
| 住民税非課税 | 5000円 | 5000円 | 1万円 |
| 住民税非課税 ※年収80万未満 | 2500円 | 2500円 | 1万円 |
| 生活保護(世帯) | 無料 | 無料 | 無料 |
※「高額かつ長期」とは、月に1万円以上の医療費自己負担額が年に6回以上ある方を指します。上記の自己負担上限額は、2026年時点の公的制度にもとづく一般的な目安です。世帯の状況や自治体の判定基準によって異なる場合があります。
難病医療助成制度の認定と申請方法
難病医療助成制度の申請には、都道府県知事が定める指定医(医師)が作成した臨床調査個人票(診断書)が必要になります。
なお、自治体によっては指定医療機関での診療が助成対象になるケースがありますので、管轄自治体の窓口に確認してください。申請時に必要な下記書類を用意し、都道府県、指定都市に申請します。
・特定医療費の支給認定申請書
・診断書(臨床調査個人票)
・住民票(申請者及び申請者の同世帯の中のうち、申請者と同じ医療保険に加入している者と確認できる物)
・市町村民税課税証明書、非課税証明書(世帯の所得を確認できる書類)
・保険証の写し(医療保険加入を示す非保険者証、非扶養者証、組合員証など)
・同意書(医療保険の所得区分をする際に必要)
また、必要に応じて提出しなければならないものは以下の通りです。
・人工呼吸器等の装着者であることを証明できる書類
・世帯の中で、申請者以外で特定医療費または小児慢性特定疾病医療費の受給者がいると証明する書類
・「高額かつ長期的」または、「軽症高額該当」に該当することを確認できる書類(領収証など)
申請後は都道府県・指定都市が審査を行い、指定難病の重症度基準を満たすかどうかが判断されます。重症度基準を満たす場合は医療費助成の対象として認定されます。
また、重症度基準を満たさない場合でも、医療費が高額である「軽症かつ高額」該当として認定されることがあります。
認定されると都道府県、指定都市から医療受給者証が交付されますが、交付までに3か月ほどの期間がかかる場合があるため、その間にかかった医療機関での費用は払い戻し請求をすることができます。尚、認定されない場合があり、その場合は不認定通知が届くことになります。
医療費が3割負担から2割負担へと軽減されますが、認定されると、自己負担が原則として2割に軽減されます(条件を満たす場合)。
なお、令和5年10月1日以降は、指定医が重症度分類等を満たしていると診断した日までさかのぼって助成開始日が認められるようになりました。
この制度は上限額を超えた分は全額助成制度になり、負担が大きく軽減されることになりますので該当する方は申請を検討したいところです。
本記事は、特定医療費支給認定制度の公表情報にもとづき作成しています。
出典:
・難病対策
・指定難病
最終確認日:2026年3月



